『五重塔』を著し、尾崎紅葉と共に「紅露時代」と呼ばれるほど一世を風靡した幸田露伴。
格調高い文体で知られた彼は、理想主義者でもありました。
今回は、幸田露伴の人物像や代表作、思想に迫ります。
幸田露伴の凄さを分かりやすく。
まず、幸田露伴という人物について簡単にご紹介します。
露伴の特徴は以下のようなもの。
- 明治に活躍した作家
- 代表作は『五重塔』
- 漢文のような表現を使い、優れた文章力で知られた
- 尾崎紅葉とともに「紅露時代」と呼ばれた
- 第一回文化勲章受章
これらがよく知られた露伴の功績、および特徴です。
漢文的表現や文化勲章など、少しとっつきにくい印象を受けますね。
実際に文章は読みやすいとは言えませんし、内容も難しいのですが、その難解さの先には文学好きな人を魅了してやまないものがあります。
詳しく見ていきますので最後までお付き合いください。
幸田露伴の文学
幸田露伴は、言わずと知れた優れた作家です。
しかし、その難解さ、そして決して読みやすいとは言えない文体で、実際に読まれることは少ない作家でもあります。
同じ時代に活躍した森鴎外や夏目漱石が国語の教科書に掲載される常連であるのに対し、少し不遇な作家ですよね。
しかしその文学の才能は決して彼らに引けを取りません。
ここでは、露伴の文学に興味をもってもらうことを目標にして、彼の文学を紐解いていきます。
格調高い漢文体
露伴の作品の魅力そのものであり、同時に手に取り辛くしている最大の要因でもある彼の難解な文体。
紅露時代
代表作『五重塔』
幸田露伴の代表作『五重塔』。
明治時代に爆発的にヒットした小説であり、その美しい描写による文学的価値だけでなく、内容の面白さに関しても一級品です。