こんばんは。
この記事は、経済学部に所属する伊崎が、経済のニュースやトピックを分かりやすく解説してみるコーナーです。
とはいっても学問的なレベルまでは踏み込まず、肩の力を抜いて読めるように書いているつもりです。
このブログの「経済」記事を読んでいれば、関連したニュースや新聞記事を読んだときにスラスラ頭に入ってくるようになっているはずです。
まず前提となる知識
この記事は、あまり経済や政治について詳しくない、でも今世界で何が起こっているのか知りたい、という人に向けて書いています。
ですので、(すでに十分な知識がある人には申し訳ないですが)本題に入る前に簡単に予備知識をまとめておきましょう。
この記事は環境問題に関する記事
この記事は「パリ協定」と「京都議定書」に関する記事ですが、これらは環境問題に関する用語です。
別の記事でも紹介するつもりなのですが、今環境問題はとても注目度の高いテーマで、ただ「美しい地球を守ろう」とか「人と動物との共存は我々人類の義務だ」といった倫理的な問題ではないのです。
「環境を無視した事業を行っている企業は社会から追放される」といったことが平気で起こっています。
例えば中国電力は二酸化炭素を多く排出する火力発電の割合が大きい電力会社なのですが、ノルウェーの投資機関から「環境に優しい発電をしないならおたくにはもう投資しないよ」と言われ、実際に投資は撤退しています。
投資家による「環境破壊につながる会社から投資を引き上げる」という動きはダイベストメントという名前で国際的に広がっています。
ここまでは企業や投資家などの民間の話です。
実は、(というよりも当たり前か?)この環境に関する動きは民間だけでなく各国政府でも行われています。
例えばこの記事で紹介したCOPもその一例。
簡単に言うと、各国が環境問題について話し合う国際会議です。
(以下の記事ではもう少し深く掘り下げています。)
そして、この記事で取り上げる「パリ協定」と「京都議定書」も、そのCOPで決められたことなのです。
パリ協定と京都議定書
さあ、長い前置きでしたが、ここからが本題。
2つのテーマについて比較していきます。
京都議定書のポイント
京都議定書は、地球温暖化問題について初めて数値目標を設定した国際条約です。
1997年のCOP3で採択されました。
この条約の大きなポイントは
- 先進国のみに義務を課している
- 罰則がある
といったところでしょうか。
パリ協定のポイント
パリ協定とは、2020年以降の温暖化対策について定めた国際的ルールのこと。
2015年の21回目のCOPで決定されました。
協定の中身を簡単に説明すると、1980年代と比較して気温の上昇を2℃以下、できれば1.5度以下に抑えようというものです。
そのために各国が自分たちで目標を決め、それに向かって努力することが求められています。
この協定に参加しているのは、国連に加盟しているほぼすべての国。
それだけに、トランプ大統領が離脱を表明したことで世界中で衝撃が走っています。
(トランプ大統領による離脱についてはまた別に記事にします。)
比較するとよくわかる相違点
この二つの違いを図示してみました。
太字が最も重要な部分で、まあそのほかも結構大事な部分です。
対比する部分を同じ列に書いているので比較してみて下さい。
まとめ
トランプ大統領がパリ協定を脱退して、世界に激震が走ったように、環境問題は現代の最も重要な問題の一つです。
パリ協定の発動を目前にしている今、この記事に書いていることを理解しておくのは大事なことだと思います。
この記事内にはごく基本的な事項しか記載していませんが、もし興味が出てきたらぜひご自身で調べてみて下さい。
また、関連する経済事項の記事を置いておきます。