伊崎ごはん
冬は魚の季節だと思う。
ブリでもサバでも、とたんに油が乗って美味しくなる季節だ。
年中安定供給が実現している肉だと一年中ほぼ同じ味だけど、魚は季節を楽しめて、季節の料理を楽しめる。
さて、冬になって食べたい魚はブリ、サバなどが代表で、他にもたくさんあるが、最も手ごろで気軽に食べられるのがコノシロだと思う。コノシロは一年中とれるが、冬が一番油が乗ってうまくなる。
今日はそんなコノシロを、ごま油でこんがり焼いて塩焼きにした。
頭を落とし、内臓を洗って水気をキッチンペーパーで取り除く。
その後コノシロの小骨を断つように、細かい切れ込みを両面に入れたら、塩を振って20分ほど寝かせておく。
中の水分が浸透圧で出てくるから、それも十分にふき取ろう。
通常の塩焼きならば、このまま網や七輪、魚焼きグリルで焼くのだが、今回はごま油で香り高く焼いていく。とはいえ、むしろ塩焼きより簡単だと思う。
まず、フライパンに多めのごま油を敷く。油が少ないと魚がフライパンとの接地面しか焼けないから、しっかり入れよう。
魚をフライパンに入れて弱火~中火にかけ、しっかり焼き色がつくまで焼いたら裏返す。焼くときは蓋をすると、生焼けを防ぐことができる。
後は皿に盛るだけで、完成である。
好みでコチュジャンなども合うだろう。
小骨が多く、人によっては食べ難く感じるけれども、気にならないならこれほど美味しく安い魚はないだろう。
コノシロは一人暮らしにちょうどいい
コノシロは家族で食べる分にも当然いいが、一人暮らしにこそ食べてほしい魚でもある
値段が安い
まず、何にしても、安い。3~4匹入ったパックで200円もしない。伊崎の近所で最も安いスーパーでは、6匹入りで198円で売っていた。
地域によっては10匹100円とか3匹200円とか、値段はまちまちだが、どちらにしろ安い。
一人暮らしでも魚が食べたい人にとっては、「安い」というのは最強にして最高の条件だろう。
美味しい
個体差はあるが、冬に取れる大きなコノシロは概ね油が乗っていて、焼くとその油が食欲をそそる香りを放つ。
比較的淡泊で、よく言えばクセのないアジと比べると独特な味を持った魚と言えるが、アジは通年食べられる魚である。一方コノシロは、冬を旬とする季節の魚。毎年食べるたびに「ああ、やっぱりコノシロは旨い」と感じることができるのは、その独特な風味のおかげ。
また、小骨が多く、食べにくいことで知られるコノシロは意外にも身は柔らかい。器用に食べれられる人なら、そのふんわりとしつつも力強い旨味を堪能することができるはずだ。
一年中食べ続けるならともかく、独特な風味も小骨の多さも、旬の季節に食べる分にはむしろ風情を感じてほしいというのが伊崎の思いである。
コノシロの食べ方
コハダであれば、やはり一番おいしいのは酢〆や刺身であるが、身も骨も大きいコノシロならば焼くのが一番うまい。コノシロの風味豊かな油の香りが一番おいしいからである。
また、他にも唐揚げ、煮つけなど、飽きずに食べるには十分なほどの選択肢がコノシロには存在する。
もちろん酢で〆てもいいし、他の魚と同じように焼いてみたり煮つけにしてみたり、手をかけて唐揚げにしてもいいというわけだ。
その時の気分で決めよう。
まとめ
一人ぐらしをする人は、魚と比較して値段が安く調理の手軽な肉料理に偏重しがちだが、魚に含まれる良質な脂質・タンパク質は健康にいい。
だから積極的に魚を食べるべきなのだが、実際は上記の理由でなかなか手が伸びないのが現状だろう。
コノシロは値段も安いし、簡単に手に入るから一人暮らしにはうってつけの魚だと思う。
伊崎も何度も食べてきた、馴染みの味である。